相続債務の調べ方
被相続人が亡くなったとき、相続人は悲しみにふけると同時に、相続のことも考えなければいけません。
遺産は、プラスは見えやすものですが、マイナスの債務は見つかりにくい場合があります。
人はマイナスを隠したがるものです。
しかし相続の判断材料として、確実に調べておかんければならない事案です。
今回の記事では、相続債務の調べ方について解説をしていきます。
3カ月以内に判断できるよう、素早く行動を起こしましょう。
相続債務を調べる方法
相続をどうするか、その判断は遺産をすべて余すことなく調べることが重要です。
先ほども話しましたが、誰でも借金は隠したがるもの、配偶者ですら知らない相続債務が見つかるなど珍しくありません。
猶予は3カ月、短い期間で探すため、調べ方が重要です。
すぐにでも行動に移しましょう。
信用情報機関へ問い合わせる
信用情報機関へ被相続人の情報開示請求を行う調べ方です。
ほとんどの相続債務はここで調べることができます。
1)JICC(日本信用情報機構)…0570-055-955
消費者金融やクレジットカードなどに対する借入
2)CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)…0570-666-414
クレジット会社のローンやキャッシングなどに対する借入
3)KSC(全国銀行個人信用情報センター)…0120-540-558
銀行系のローン(住宅ローンなど)やキャッシングなどに対する借入
詳しい開示方法は連絡をして確認を取ってください。
必要な書類を準備したり、郵送をしなければ開示しないなど、時間がかかる作業です。
まずは開示請求を行い、連絡が来るのを待ちましょう。
通帳の確認
被相続人の通帳の履歴から、返済履歴が無いか、大金が入金されていないかを確認します。
中には返済が開始していない借入があるかもしれません。
最近は、被相続人がインターネットバンクを利用している場合もあります。
パソコンのインターネット履歴なども確認してください。
パスワードがある場合は、難しいかもしれません。
郵便物や保管物の確認
送られてくる郵便物の中に明細が無いかを確認します。
最近は、インターネットを利用することで郵送不要にしている人もいるので、期待はできませんがチェックを必ずしておきましょう。
また、被相続人が借入の書類を保管しているかもしれません。
被相続人が使用していた机など、隠しそうな場所を探してください。
借金は隠す可能性が高い、そのため簡単に見つかるところに保管をしていないと思い、くまなく探すようにしましょう。
また、相続債務は借金だけではありません。
公共料金などの未払いも当てはまります。
何かしらの定期購入をしていないなかなど、あわせて確認を行うようにしてください。
スマホの履歴、パソコンのメール確認
相続債務では、個人間で行った借金などの調べ方が一番大変です。
まずはスマホやパソコンの履歴から確認を行ってください。
個人間の場合「今月分の入金をしました」などの、メール履歴が残されているかもしれません。
また頻繁に連絡が来ている、もしくはしている人には、直接連絡をして確認するのも一つの手段です。
ただ「借金はしてませんよね?」と直接聞くわけにはいきません。
「生前はお世話になりました」などから会話を始めてください。
お金を貸していたのならば、そこで相手から話してくるかもしれません。
もし借金の話をされた時は、借用書のコピーを確認してから対処を考えましょう。
相続債務の注意点
相続債務を見つけても焦ってはいけません。
特に個人の借金は申しわけなく感じ、すぐにでも返済をしようと考えてしまいます。
しかし、返済をしてしまうと、相続したと判断されるため、迂闊な行動はできません。
まずは、借用書のコピーを貰うだけにとどめるようにしてください。
すべての遺産が確認できるまでは、処分をしないようにしましょう。
時間が足りないときの相続債務の調べ方
相続をどうするかは、3カ月の熟慮期間内に判断をしなければいけません。
ただし時間が足りない場合は、家庭裁判所に申立てることで延長もできます。
ただ相続人にも普通の生活があり、なかなか平日に休むことができない人もいることでしょう。
戸籍の取得など、慣れていないことからなかなか前に進みません。
期限内に終わらないと思われる人は、早い段階で弁護士に相談をしましょう。
多くの事案をこなしている弁護士ならば、相続債務の調べ方にも精通しています。
遅くなればなるほど大変です。
早い段階で依頼を考えるようにしてください。